プーチンの真の狙いは……? ご質問にお答えします その24

こんにちは
なかなか和平の見通しの立たないウクライナ戦争についてご質問をいただきましたので、お答えしたいと思います。

ご質問:ひょっとして、ロシアは首都キエフを陥落させることを目的にしていないのではないでしょうか?

ドンバス地方の独立承認やネオナチを含んだウクライナ軍の解散はもちろん目的として、それ以外に攻撃を続ける目的もしくは狙っている標的があるのではと思っています。

増田さんはどう見られていますでしょうか?

お答え:私も、当初はドンバス地方の独立承認、ネオナチ勢力の入りこんだウクライナ軍事組織の解体をなるべく短期間で達成するつもりだと見ていました。

ですが、首都キエフの包囲戦など、あまりにも短期決戦にはふさわしくない軍事目標を設定しているようで、戦端を開いて2週間ほど経ってからはプーチンの真意を測りかねていたのです。

しかし、最近ようやくわかってきた気がしています。

ことはウクライナ国土形成史にさかのぼる

まず、抑えておかなければならないのは、ウクライナという国がちょっと不思議なかたちで現在のように広大な領土を持つようになったという事実です。

あまりご存じの方は多くないのですが、ウクライナはヨーロッパ大陸の中ではめったにないほど広い国です。

1700万平方キロと世界最大の領土を持つロシア、そして可住地ははるかに少ない217万平方キロのグリーンランド(この国は今もなおデンマークの属領ですが)に次いで、60万平方キロとヨーロッパで3番目に広い領土を持っています。

しかも、その領土の大部分はウクライナ人が自分たちで国土に取りこんでいったのではなく、時代ごとにかなり性格の違うロシアの権力者たちによって付け加えてもらった領土なのです。


スラブ系の諸民族の中ではウクライナ人が一番早く、キエフを中心にルーシ大公国という中世国家を建てたのはよく知られた話です。

でも、その後モンゴル族の侵攻などいろいろあって、17世紀半ばにはウクライナは首都キエフも失って現在の領土の10分の1にも満たないほど小さな国に逼塞していました。

それから約2世紀半にわたって、ロシア帝国に服属しながら歴代のロシア皇帝に領土を拡大してもらっていたわけです。

第一次世界大戦末期に成立したソビエト連邦に組みこまれてからも、ウクライナはレーニンによってドンバス地方を割譲してもらい、ソ連内でロシアに次ぐ大きな領土を持つ社会主義共和国となり、その後もスターリンやフルシチョフからも領土の割譲を受けていました。

ロシアは外からの侵略に神経質な国

なぜロシア皇帝やソ連時代の権力者たちがこんなに気前よくウクライナの領土を拡大してやっていたかというと、ロシアはどんなに精強な軍隊を持ってしてもとうてい守り切れないほど長い国境線を持ち、しかもたびたび過酷な軍事侵略を受けていたからです。

古くはモンゴル族の侵攻を受け、国全体がモンゴルの4大汗国のひとつに編入されていた時代もあります。

また、十字軍時代の3大修道騎士団のひとつで、テンプル騎士団やマルタ騎士団ほど有名ではありませんが、北東方面に侵略の手を伸ばして、スラブ諸族のうちプロイセン族などを絶滅に追いこんだドイツ騎士団にもたびたび侵略されていました。

オスマントルコ時代にも圧迫を受け、ナポレオン戦争のときにはあわや首都陥落というところまで攻めこまれました。

つまり、武力で国土を蹂躙されることにとても神経質な国なのです。

だからロシア帝国時代にも、外敵に対する障壁となる国々を、完全に自国領とせず自国のまわりに配置するのが伝統的な領土政策だったのです。

ソ連時代にも、ポーランド、チェコスロバキア、ルーマニアといった一応独立国として認めた国々を外堀とすれば、ウクライナやベラルーシはソ連内部に取りこんだ内堀としてロシアを守ってもらうという発想でいたわけです。

そのへんの事情は、ソ連東欧圏崩壊直前の次の地図にはっきりと表れています。




上の地図でNATOとあるのは、北大西洋条約機構(North Atlantic Treaty Organization)のことです。

ソ連としては外堀の東欧諸国の内側にバルト3国、ベラルーシ、ウクライナといった自国内に取りこんだ内堀を設けて国境侵犯に備えていたわけです。

だからこそ、レーニン時代にはソ連全体のエネルギー供給センターであるドンバス地方をウクライナ領とし、フルシチョフ時代にはソ連海軍2大拠点のひとつ、セバストポリ軍港を擁するクリミア半島までウクライナ領にくり入れてやったのです。

今でもクリミア半島とドンバス地方にはロシア語を母語とし、日常生活も全部ロシア語で用が足りる地域のほうが多いのです。

また、ロシア語を話す人たちは決してロシアから出稼ぎに来たわけでも、ましてや侵略してきたわけでもなく、何世代にもわたって住み着いている人たちなのです。

しかし、このロシア伝統の領土政策が、ソ連東欧圏崩壊とともにさまざまな問題を噴出させることになりました。

ソ連東欧圏崩壊後、ロシアはNATO加盟を申請した

ソ連が崩壊し、東欧諸国が次々に西側との自由貿易で豊かになる道を選ぶ中で、従来はソ連内に存在していた多くの社会主義共和国がロシアとは別の国になる道を選びました。

1990~91年のたった2年のうちに、ほとんどの国が独立し、しかもNATOやEUへの加盟を申請するという事態になりました。


そうなると、常に外敵の侵入を警戒しているロシアとしては、丸裸で敵の中に放り出されたようでとても不安です。

そこで自国もNATOに入れてくれと申請したのです。もちろん、加盟したらNATOの指示どおりに動き、それ以外の軍事行動は取らないという条件で。

しかし、旧東欧圏の他の多くの国の申請を喜んで受け入れたNATOは、ロシアの申請をはねつけました

表向きは、ロシアは今も世界征服を狙っている社会主義帝国だとか、オリガルヒの支配する利権帝国だとかの口実で。

実際には、当時はまだ中国では役不足ですし、アメリカの軍産複合体がたっぷり国防予算を取りつづけるためにはロシアのような核兵器を大量に持った国が仮想敵国で居てくれなくては困るという打算の結果です。

そこで、ロシアは「それでは、NATO加盟は諦めるが、もうこれ以上東に向かってNATO加盟国を増やさないでくれ」と頼んだのです。

自国と国境を接する国々が自国を仮想敵国とした軍事同盟の加盟国ばかりでは、ロシアほど外的による侵略に神経質ではない国でも、あまり気分のいいものではないでしょう。

NATO側もロシアの頼みを諒承したはずだったのですが、その後NATOは加盟国をどんどん東に向かって拡げていきました。

とくに、ロシアが国債危機の処理にかかりっきりであまり外交問題に手が回らなかった1997~98年ごろから一段と旧東側諸国のNATO加盟が増えロシアはこれを西側諸国による背信行為と見ました。

次の地図を見れば、ロシアとしてはどんどん包囲網が狭められていくと恐怖を感じたのも無理はないと思います。


しかも、旧東欧圏や旧ソ連内から新規にNATOに加盟した諸国は、加盟国の中でも積極的に国防予算を増やし、ロシアへの敵対姿勢を鮮明にする国が多かったのです。


東欧諸国としては、旧ソ連時代にいじめられていた恨みを晴らしたつもりかもしれません。

ですが、もう社会主義政党の一党独裁ではなくなったロシアに対して、少しでも気をゆるめれば襲いかかってくる軍事大国と決めつけた結果、ロシアの孤立感を高めてしまった感は否めません。

ロシアとしては前世紀末から2000年代にかけて、かなり追いつめられた心境になっていたでしょう。

しかし、2010年におこなわれたウクライナの大統領選挙で、大接戦の末親ロシア派のヤヌコビッチが親欧米派のティモシェンコを破ったことによって、やっと旧ソ連内の国で親ロ的な政権がベラルーシ1国になってしまうという危機を脱したと一安心できたわけです。

オバマ政権によるネオナチを使ったクーデター勃発

ところが、2014年に当時のオバマ政権の副大統領ジョー・バイデンや国務副長官だったビクトリア・ヌーランドがCIAの特殊工作員にネオナチ勢力を使ったクーデターを決行させるという暴挙に出ました。

内政干渉どころか、選挙によって成立した政権を陰謀によって転覆するというとんでもないことをやってしまったわけです。

オバマ政権ではウクライナ担当だったジョー・バイデンの息子、ハンター・バイデンはこのクーデターのあとウクライナのガス開発会社から巨額の顧問料をもらっています。

一度として正業に就いたことのないどら息子が収賄で食っていけるように、ジョー・バイデンが仕組んだことかもしれません。

当時はまだ現在ほど堕落していなかった西側大手メディアでも、この事実はかなりはっきりと報道されています。

ロシアは、重要な海軍基地のあるクリミア州はすぐに併合しました。ロシア語を母語とする人がクリミア州全体でも8割、セバストポリ市にいたっては9割を超えていましたから、この接収はあまり大きな武力衝突もなく、地元民の大歓迎の中で既成事実となりました

ロシア語話者が多数派とは言え、圧倒的な差ではないドンバス地方のドネツク州、ルガンスク州は悲惨でした。

生まれたときから話していたロシア語での会話を禁じられるといった強権的な支配に対して独立を宣言したものの、正規軍やネオナチも混じった民兵組織の武力に対抗できず、多くの民間非戦闘員が殺されていったのです。

なぜドンバス地方だけを制圧しなかった?

プーチンは何度も「ドンバス2州の独立承認、正規軍と政府から武器を支給されている民兵組織からのネオナチ排除、ドンバス2州と北西諸州のあいだに中立地帯を設置せよ」といった勧告をウクライナ政府にしてきました。

それが無視されつづけたので、今回の軍事行動となったわけです。

その結果、加盟諸国からさえ「存在理由を失ったから解散すべきだ」との声も出ていたNATO軍は喜び勇んで、厳戒態勢に入りました


混成軍で指揮命令系統は乱れているかもしれませんが、これだけの軍勢がすぐそばで待機しているのですから、ロシア側としては軍事行動はできるかぎり手早く必要最低限にとどめて、さっさと交渉に入ったほうが得だと思います。

先ほどの旧ソ連内にはいっていた国々の表にも付け加えておきましたが、ウクライナはヨーロッパ有数の貧困国でたとえ首都キエフを陥落させ、全土を制圧したとしても併合したらお荷物になりそうな地域のほうが多い国です。

いったい、プーチンは何を狙っているのでしょうか?

独・露・米の三題噺で筋が見えてくる

常識的に考えていたのではどうにもわけがわからないプーチンの戦線拡大策は、やっぱり常識を捨てて逆転の発想をしてみる必要がありそうです

プーチンはウクライナに侵攻した時点から、勝つことは狙わず負け戦を狙っていたのではないでしょうか

私は、1950~70年代のベトナム戦争とイギリス・アイスランド間のタラ戦争以降、ほんものの正規軍同士の戦争はイランイラク戦争以外なく、あったのは軍事行動も交えた情報戦争だけだったと考えています。

そして、この情報戦争では戦闘行動の巧拙にかかわらず、国際世論の舞台で常に勝つのは軍事力の弱いほうであり、負けるのは軍事力の強いほうでした

例外と言えば、イスラエルによるパレスチナ半島征服とサウジアラビア・アラブ首長国連邦による南イエメン爆撃ぐらいかと思っていたら、どうやら南イエメン情勢も南イエメン優位に転換しそうな形勢です。

プーチンはなんとか米軍を引きずり出してなるべく惨めな負け方をするために、一挙に攻め落としてしまえば簡単に勝負のつくウクライナ攻略をわざと持久戦に持ちこもうとしているのだと思います。

さてどうすれば、アメリカを前線に引きずり出すような持久戦になるでしょうか。

ロシアはエネルギー輸出大国

まず、ロシアは世界有数の資源生産国であり、輸出国です。





ロシアが「経済制裁」を受けて欧米諸国にエネルギー資源を輸出できなくなれば、ロシアよりずっと困るのは西欧諸国です。

中でもエネルギー自給率が低いのに、ロシアから安くパイプラインで送ってくる天然ガスを排除して、「再生可能エネルギー」という当てにならないもので電力をまかなおうとするドイツは、ほぼ間違いなくエネルギー資源を中心にすさまじいインフレに襲われます


ドイツでは、去年の冬も厳寒で太陽光発電の稼動率がゼロ近辺まで落ちこみ、電力料金が暴騰しました。

でも、現在「二酸化炭素排出量ゼロ」とか「脱炭素」とか唱えている人たちは、たちの悪い新興宗教に入れこんでしまったようなもので、まったく現実と向き合おうとしません

驚くべきことに、「こういう事態もあるから、もっと太陽光や風力の発電所を増やさなければならない」と真顔で主張する人もいたのです。

稼動率ゼロの発電所をいくら建てても、なんの足しにもならないのですが。

で、結局はアメリカに泣き付くわけですが、アメリカから割高な液化天然ガスを運んでいたのではエネルギー料金の高騰は収まりません

そこで、「なんとか一刻も早くロシアを全面降伏に追いこんでくれないと、ドイツ経済が崩壊する。そうなったら西欧にまっとうな経済を運営できている国はひとつもなくなる」とせき立てるわけです。

アメリカには核戦争やるべし論者が35%もいる

そうなったときに怖いのが、今年の3月第2週に実施された世論調査結果です。


あの時点ですでに、アメリカ国民の35%が核戦争のリスクを冒してでもロシアとの軍事対決に突っこむべきだと考えていたのです。

ドイツを先頭に西欧経済が将棋倒しのように崩れ落ちていくまでプーチンに持久戦で粘られたら、ジョー・バイデンを操っている連中はどう考えるでしょうか。

「クレムリンに核弾頭をぶちこんで、現ロシア政権の大物たちを皆殺しにするしかない」という考えの誘惑に負けてしまうのではないでしょうか。

そもそもアメリカの知識人たちは、自分たちが開発し、実用化した核兵器の害毒について、じつにお気軽な認識しか持っていません



ご注意いただきたいのは、このライフ誌の記事が出たのは、広島、長崎に投下された原爆が悲惨な民間非戦闘員の大量殺傷に結びついた記憶がまだ生々しかった頃のことだという事実です。

広島・長崎であれほどの被害が出たのは、ゴミゴミ狭いところに木と紙と竹で造った家に住んでいて、延焼を防げなかったからだ」と無邪気に決めつけています。

そこには「あらゆる面で劣っている黄色人種が生意気にも白人に挑戦したりするから、こういう目に遭うのは当然だ。我々は優秀だからどんな事態にもチャンと対応できる」という傲慢さも感じられます。

仮に百歩譲って、原爆被害は小さく食い止めることができたとしましょう。

でも1.6キロ四方の広大な土地にたった12軒しか家がない状態で、いったいどういう日常生活を送れというのでしょうか。

このころにはもう、完全クルマ社会化が実現していたので、「いつでも、好きなところに行けばいいじゃないか」ということなのかもしれません。

この無神経かつ非現実的な記事が出てから、もう75年経ちました。その後一貫して核兵器開発競争の先頭に立ちつづけていたアメリカの知識人たちは、被害規模の予想もつかないうちに実戦に核兵器を使ってしまったことを反省しているのでしょうか

新型コロナ用のウイルスをたった2~3ヵ月の治験で実用化してしまって、今さらながら副作用の深刻さに批判が巻き起こっているところを見ると、どうもそうでもなさそうです。

プーチンのほうは、喜んでこの核弾頭を受け入れるでしょう。あるいは、核弾頭ではなくてドローン爆撃でも確実に自分を殺してくれるなら、戦争犯罪者の汚名にまみれて余生を送るよりずっといいと覚悟を決めているはずです。

あるインタビュー番組で「あなたは非常に暗殺を警戒しているそうだが」と聞かれて、「ロシアには縛り首になる定めの人間は、自分から溺れ死んだりしないということわざがある」と答えています。

「小物の暗殺者ではなくアメリカ政府のような大物に殺されるために、命を大事にしているのだ」ということでしょう。

つい最近まであり得ないと信じていた第三次世界大戦は、一貫して平和共存を望みながら拒絶されつづけてきたプーチンの意地のウクライナ出兵が惹き起こしてしまうかもしれなくなってきたと思います。

読んで頂きありがとうございました🐱 ご意見、ご感想お待ちしてます。

コメント

precursor さんの投稿…
周辺国と対峙する中で中世以降に変遷した領土に対する認識は、幾世代も同地域に居住しつづけた人々(民族)だけが理解し得る歴史観なのかもしれませんね。 資源大国であるロシアへの制裁で世界経済が混乱することについては、軍産複合体と共に西欧の合法的オルガリヒとも云える金融勢力の思惑も強く作用しているのではないでしょうか?

目下の情勢では、レーガン/サッチャーが始めた新自由主義的な経済のグローバル化に伴う金融・経済の矛盾が臨界点に近づいているようなので、全てを都合良くリセットするために世界規模の(地政学的)動乱を望む人々も少なくないような気がします。
匿名 さんのコメント…
戦争犯罪人の概念は、ひょっとすると米国のリンチ(私刑)から出てきている様に思われてなりません。

欧州内での戦争では、王族が他国に亡命するなり、領土の割譲や賠償金の支払いはありましたが、戦争犯罪人は存在しませんでした。

米国が戦争に参加し、戦勝国として牛耳ってから始まった様に思えてなりません。

ましてや、日本にはその様な概念はありませんし、慣習も存在していませんでした。

栴檀の葉
増田悦佐 さんの投稿…
precursor様:
コメントありがとうございます。
お返事を差し上げるのが大変遅くなり、申し訳ありません。
たしかに、ロシアのオリガルヒは、アメリカ・中国が利権社会化の両横綱とすれば、西欧が関脇程度なのに対し、せいぜい幕内下位から十両程度の小粒な利権社会であって、この大騒ぎにはもっと大きな思惑があると思います。
今や完全に共謀しているアメリカの伝統的保守本流と民主党リベラル派は、ロシアをだしに使って今なお隠然たる勢力を持っているドイツ・フランスを決定的に蹴落とすつもりなのではないでしょうか。
そして、疫病(コロナ)、戦争(ロシア軍のウクライナ侵攻)、飢饉(地球温暖化=二酸化炭素元凶説)の3人の騎士たちをある程度暴れ回らせてから、さっそうと白馬に乗って「勝利の上の勝利」を体現する支配者(世界経済フォーラム)が登場するという段取りだと思っております。
増田悦佐 さんの投稿…
栴檀の葉様:
コメントありがとうございます。そして、お返事が遅れてしまい申し訳ありません。
私も、戦争というきわめて現実的な利害で成り立つ現象に、正義・不正義を持ちこむ非常識さは、開拓時代のアメリカがまったくの無法地帯に近く、リンチによる秩序維持でも全然秩序が成立しないよりはマシという社会だったことも大いに影響していると思います。
もうひとつ考えられるのは、カトリック時代には現実の汚さをある程度許容していたキリスト教が、プロテスタントが優勢になった諸国では非現実的な理想主義がまかりとおるようになった傾向があることではないでしょうか。
戦勝国が敗戦国を裁くというのは、始めから判決は決まっているわけで、とうてい裁判の名に値しないと思います。