金は、手数料率が気にならないほど長期にわたって保有すべき安全資産です ご質問にお答えします その23

こんにちは
ウクライナ情勢も緊迫し、いよいよ安全資産としての金の価値が重視される時代に入ってきたと思います。

そこで今日は、金取引関連のご質問にお答えしようと思います。

ご質問1:僕は先物取引なんて危なっかしくて近づきたくない、という人間です。しかし、わざわざ店で金を買って手数料を取られるのは嫌だとも思っています。

先物取引で金(しかも現物)を手に入れるためには、どこの店、と言うか組織が最適ですか?

お答え1:もちろん、先物を買っておいて期日が来たら現物価格との差額を決済するのではなく、現物を引き取ることは、商品取引業者として登録しているところなら、一応どこでもできるはずです。

ただ、買い値と売り値とのあいだの非常に薄いサヤを抜くだけで手数料はゼロとか、ほんのわずかという業者は、顧客にひんぱんに取引をさせているからこそ、その薄利でやっていけるのだということも考慮に入れておく必要があります。

金現物は手数料が高く見えるが……

金・銀・プラチナなどの貴金属取引は、高頻度・高レバレッジ取引全盛の外国為替市場はもちろんのこと、株や債券と比べても、非常に取引頻度の低い金融商品でして、とくに金にはその特徴が色濃く出ています。

だからこそ、金はほかの金融商品に比べて価格変動性(Volatility)がとても低いのです。

価格変動性が低いというと、大幅な値動きがないとお考えになる方が多いのですが、決してそうではありません

むしろ、長期的に見ると延々と上げ続けたり、延々と下げ続けたりします。ただ、上げるときも下げるときもゆるやかな弧を描くことが多く、ジグザグが極端に少ないので価格変動性は低くなっているのです。

そのへんの事情は、当時のアメリカ大統領リチャード・ニクソンが「米ドルの金兌換停止」を宣言した1970年代初頭からの日本円、米ドルでの金価格推移でご確認いただきたいと思います。


これが日本円での金価格の長期推移でして、1975年から直近の高値まで約4倍にとどまっています


こちらは、米ドルの金価格です。同じく1975年から直近の高値までは約10倍になっています

なぜ、日本円のほうが金の値上がり率が低いかと言いますと、もちろん円の価値が上がった分だけ、諸外国より安く買えているわけです。

第二次世界大戦後は1ドル=360円の固定相場から出発して、一時は80円まで円高が進み、その後円安に振れたと言っても現状で114~116円の範囲で推移しています。

もし、今後の世界経済激動の中で円安が進むとお考えでしたら、今のうちに金を買っておくことは、円の購買力低下を埋め合わせる手段になります

私は、今後の世界経済で日本は中国はもちろんのこと、アメリカ、西欧諸国よりずっと健全な歩みをすると思っていますので、買い急ぐ必要はあまり感じていません。その点については、また別の機会に詳しく書かせていただきます。

先物を買って現引きをするのが、低コストではないかとのご質問にもかかわってくることですが、グラフ両端の縦軸の単位にご注目ください

右端はよく見る1トロイオンス(約31グラム)当たりの価格ですが、左端は1キロ当たりの価格となっています。

重要なポイントは、金先物の1枚という最小取引単位は1キロ、つまり直近の価格で言えばほぼ正確に700万円になることです。

もちろん、必要最低額の証拠金15万円を拠出して、残りは信用(借金)でまかなうこともできますが、相場観が外れたときの損失は莫大なものとなります。

なお、商品取引業者の多くが貴金属についてはミニ先物と称して、最小取引単位を100グラムにしてくれるようですが、その分売り値と買い値とのあいだの利幅は厚くしているはずです。

金は信用買いやカラ売りは危険な商品

私は専業で相場を見ていられるわけでもない個人投資家が信用買いやカラ売りをすることは、一般論として危険だと思っています。

中でも金は、一見値動きがゆるやかでリスクの少ない商品のようですが、上がったきりとか下がったきりとかの一方通行になりやすいという大きな不安要因を抱えています

値動きが一方通行になりがちな金融資産は、信用買いやカラ売りなどの時間との勝負をするにはとくに不向きです。

さて、なぜ金の値動きは一方通行になりやすいのでしょうか。

それは、金の最大の供給源はどこかというと、中国でも、アメリカでも、カナダでも、オーストラリアでも、南アフリカ共和国でもなく、金を資産として蓄積してきた方々による放出(リサイクル)だからです。

金を蓄積されてきた方々の大部分は、できることなら取り崩したくないと思っていらっしゃいます。ですが、何らかの理由で現金を必要とするときに手持ちの金を放出される、その量が世界最大の産金国の生産量より多いのです。

つまり、必要とされる現金を入手できる分だけ金をお売りになるわけです。

ふつうの商品なら、価格が上がれば供給量は増え、価格が下がれば供給量は減ります。一方で価格が上がれば需要量は減り、価格が下がれば需要量は増えます

値上がりの次には値下がり、値下がりの次には値上がりというジグザグの動きをするわけです。

こうして、ふつうの商品には均衡点に戻ろうとする力が自然に働くので、その時々の価格はひんぱんにジグザグをくり返しながらも、あまり長期的な均衡点から逸脱することはありません

ところが、供給者が必要な現金を手に入れるために売る金のような商品の場合、価格が上がればあまり大量に売らずに済み、価格が下がれば大量に売らなければなりません

そうすると、いったん価格が上がりはじめると供給量が減ってどんどん上がり続け、いったん下がりはじめると供給量が増えてどんどん下がり続ける、つまりあまりジグザグのないゆるやかなカーブの一方通行になりがちです。

このへんについては、『資産形成も防衛もやはり金(GOLD)だ』に、もう少し細かく論証しておきましたので、ご興味がおありでしたらお読みください。

私が、金取引はできるだけ頻度を少なくすべきだと考える最大の理由もそこにあります。

小さな波動ごとに高値で売って利益を確定し、その後の押し目(短期的な下げ局面)を拾って、また売ってといった手法でひんぱんに取引をしようとしても、なかなか注文どおりに山や谷が交互に訪れてくれないからです。

そこでご質問の趣旨に戻りますと、金は一度買ったら持っていることも忘れるぐらい長期保有し、取引頻度を極限まで絞りこむのが正解だと思います。

短期取引をくり返すには向きません。その反面、絶対にデフォールトしない資産であり、だれの裏付けもなく、金自体の価値が経済発展が続くかぎり上昇しつづけるという、危機的な経済情勢ではほかの金融資産には代えがたい有利さも持っています。

ふつうの貴金属商から買うときの手数料率が高く見えたとしても、何年かに1回、あるいは何十年かに1回取引するだけだとしたら、年率換算した手数料は微々たるものに収まるでしょう。

ご質問2:店頭で買うなら田中貴金属などありますし、純金積み立てならどこでもやってますよね。しかし、純金積み立てってかつての「豊田商事」みたいで怖くありません

お答え2:先ほどの金の購入コストは先物を買って現引きがいちばん安いのではというご質問も、金を根拠資産とした仕組み商品全体がうさん臭いのではというご質問も、アメリカでよく耳にする金取引に関する懸念と一脈通ずるところがあります。

アメリカは金取引では後進国です

そして、非常に残念なことに、アメリカではこの懸念が的中するような事例がけっこう見受けられます。

アメリカ国民は、1930年代半ばから70年代末まで金を保有したり売買したりすることを大統領令によって禁止されていました

その結果、金を売買する貴金属商という事業分野自体が今でも未発達です。かなり最近まで小売貴金属商は金については宝飾品だけしか扱えなかったので、とくに地金や延べ棒やコインの小口取引を歓迎する企業がほとんどありませんでした

小規模な取引しかできない個人にとっては、大口企業顧客の片手間にいやいやながら応対する大手金属商に不愉快な思いをさせられるか、もっとひどいときにはうさん臭い新興業者の詐欺に引っかかるかということが多かったわけです。

そこで、いっそのこと貴金属商から現物を買うより先物を買って現引きをしたほうが、安上がりだし、不愉快な思いもしないで済むとおっしゃる方が多いのでしょう。

日本の場合、1973年までは金の輸入は自由ではなく許可制でしたが、アメリカのように全国民が金を持つことも売買することも禁じられるといったきびしい制約のもとに置かれたことはありません

さすがに第二次世界大戦中は貴金属ばかりか、ほとんどありとあらゆる金属を供出させられました。ただ、取り締まりは意外にゆるやかで、頑張ってひそかに持ちつづけた方もかなりいらっしゃるようです。

そして、日本でもヨーロッパ諸国ほど長い歴史はありませんが、きちんとした老舗で社会的信用もある貴金属商が全国的な支店網を構築しております。

現在も営業を続けている貴金属地金商としてはおそらく日本最古の田中貴金属工業は、1885年(明治18年)創業で現在も地金商としては日本最大級で、技術力が高く評価されている貴金属加工部門も持っています。

怪しげな商品を売買していたのでは、とうていこんなに長く保つはずがない社歴と言えるでしょう。

なお、日本で貴金属の販売・買い取りを行っている業者には、田中貴金属のような地金商、大手精錬会社や大手商社の貴金属販売部門、商品取引会社といったグループがあります。

こうしたグループごとの特徴、金を根拠資産としたさまざまな金融商品の有利不利、税制上の注意点などについては、植田進さんのお書きになった『不測の事態に強い金投資 資産防衛&資産形成のすべて』の第6章「金投資の基礎知識」がとても親切で明快です。

読んで頂きありがとうございました🐱 ご意見、ご感想お待ちしてます。

コメント

匿名 さんのコメント…
増田先生、確かに、金先物取引は期間が短すぎて、

①長期の見通しは間違いありませんでした。
②期日までに、相場が意外な方向に動きました。
③損失が残りました。

の可能性が高く、余程”運”の良い方でないと成功は覚束ないと思います。

栴檀の葉

スイーツ さんの投稿…
増田先生、つい最近このサイトに辿り着いた僕の質問に、こんなに丁寧に答えて下さって、本当に有難うございます。勿論、現在のウクライナ情勢に鑑みて公共性の高い話題だからだ、という事はよく分かっているのですが、それでも嬉しかったです。

さて、僕も相場の動きに一喜一憂などせず、長期的な視点に立ってGOLDを購入したいと思っているのですが

(1)コツコツとタンス預金ならぬ「タンスGOLD」、つまり現物を自宅に保管していた方が いいのでは?勿論、自宅に現物を保管するならば、イザという時盗難に遭う危険性はあります。しかし、現金と違い、GOLDは現物そのもが価値があると思います。ならば、やはり現物そのものを傍に置いておきたいような気もするのです。

(2)僕は橘玲氏の著作を読んで、手数料を度外視するような損をしてはいけないと思っていました。今でも、手数料の事はちゃんと考えておきたいと思っています。しかし、近視眼的にGOLDを購入しようとも思いません。
 そういう意味では純金積み立ては僕のような凡人にとっては最適かもなと思いますが、その一方でずっと純金積み立てしていても いざという時現物そのものが欲しいと時になって GOLDがありませんでした、、、なんて危険性って無いんでしょうか?

(3)以上を考慮しても、生活防衛のためには、NISAやidecoだ、株だと突っ走るより、現ナマ(        
スイーツ さんの投稿…
ごめんなさい、質問文を書いている途中で変なことになってしまいました。質問を続けます。結局、足を地に着けて現ナマ(つまり円)と田中貴金属のような場所で中長期的視点に立って純金積み立てをするのが、一番の正解のような気がします。

僕はSFC出身なのに昭和の超アナログ親父なのですが、増田先生のような一流校出身かつご立派な経歴の持ち主にこうやって直接質問できるのですから、やはりネットのメリットは大きいですね。
土井としき さんの投稿…
スィーツさん。
良い結論に辿り着かれて、至極です。
私の妻や息子も、田中貴金属の純金積立をしています。
必要な時に、売りです。
スィーツさんの大学の先輩(三田、哲学専修)として、嬉しいです。
スイーツ さんの投稿…
土井としきさん、まさか同窓の方と巡り会うとは思っていなかったので、嬉しかったです。僕は、一般入試で文学部とSFCに合格して文学部に入ったのですが、、転部してSECに行きました。

だから、日吉は知っていても三田はほとんど知りません。やはり、慶應の本山は三田なので、そういう意味では土井さんが羨ましいです。(まあ、それにSFCって慶應の中では異端児扱いされてますしね、、、)

奥様や息子さんまで純金積み立てされているなんて、どこまでしっかりしているんだと感嘆しましたが(聞かなければ経済学部出身だったのでは?と思っちゃいますね)、土井さんはGOLDの現物そのものを傍に置く(つまり「タンスGOLD」)ということはしないのですか?

これは、勿論 増田先生にもお聞きしたいです。
土井としき さんの投稿…
スィーツさんへ。
日吉には一年通いました。以後の三田は、思い出深いキャンパスです。昨年、久しぶりに三田に行き、図書館が文化財で入館出来ず残念でした。
確かに、SFCは異端ですね。私の時代は、まだなかったキャンパスですが、有れば行きたいキャンパスでしたよ。

私は、タンスgoldはしません。
現物は、保存方法が難しいからです。
ロッカーやタンスは、見つけられる危険性があるし、
地下なら埋もれてしまい、何処にあるか不明になるからです。
スイーツ さんの投稿…
土井さん、返信有難うございます。

僕は悲観的な発想ばかりしてしまうタイプなので、いざとなって会員の多くが現物を渡せという事態が起きたら、結局現物が足りませんでした、、、なんてことが起きたらどうしようかと思っちゃうんです。

しかし、仰るように現物を自宅で保管するって色々と危険性はありますしね。それに、玉岡徹のように必要以上に恐怖を煽ることは却って良くないということも痛感しています。

これが例えば通貨の円だったら、国家には通貨発行権がありますからお札をジャブジャブ印刷できますけど、GOLDはそのものが価値があるから。

しかし、国家が崩壊したり老舗が崩壊するような時は、最早 円もGOLDも役に立たない時ですよね。ですから、我々が国会議員に外交や情報戦で戦争を回避するように強く働きかけるべきです。
土井としき さんの投稿…
国家が崩壊するのは、良いことですよ。

先の参議院予算委員会の、森永ゆうこさんの質疑の感想を秘書に送ったので、下記に一部を紹介します。

③岸田文雄総理への質問に、森裕子さんもかなり苦しんでいた。それは、
岸田総理と8人の有力政治家が、安倍晋三たちを自民党から追い出す抗争こそが、今年の日本政治の最大のドラマだから(副島隆彦『世界の常識はウソばかり』)。

④以上の全体にか関わること。
今は、製造業(第二次産業)から、消費資本主義(第三次産業)の時代だということ。
しかし、これには岸田総理の新しい資本主義や、他の誰も回答する者が政治家やエリートにいないこと。
私には、消費資本主義は、江戸時代を参考にすべきと思われる。過去の価値観や倫理観に、進歩史観が通用しないこと(吉本隆明『超資本主義の現在』)。国家が滅びたって、民衆が現在より豊かになれは良いという視点が理想。 
だから、江戸時代が、鎖国や循環型社会だったこと。なのに、人口が増えたことが大切。民衆が豊かになったから人口を増したのだ。

また、現代の国際化において、鎖国は無理にしても、岸田総理のコロナ対策のように、海外からの入国を厳しくすることは大切。又、寒冷化時代の時代の技術を、循環型社会として施策を生み出すことが大切。
増田悦佐 さんの投稿…
栴檀の葉様:
コメントありがとうございます。
私も外資系証券会社でアナリストをしていたころから、方向性を間違えたことはめったにありませんでしたが、タイミングは外しっぱなしでした。
つくづく時間は魔物だと思います。
手っ取り早く豊かになる方法として信用取引やデリバティブを選ぶ方がいらっしゃいますが、むしろ事態が思い通りの方向に動かなかったときに何十年も待てる資産をお持ちの人以外は、かえって危ないのではないでしょうか。
匿名 さんのコメント…
増田先生、コメントありがとうございます。

親からも、信用取引はお前には無理だと宣告されていました。

下手の横好きと言いますか、たまに手をだしては、火傷をしています。

先生の、至言にしたがえるだけ理性が有りませんでした。

これは、業でしょうか。


栴檀の葉
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
コメントありがとうございます。
まず(2)についてですが、社歴が長く、従業員数が多く、全国に支店網を築いている地金商のところに保管してもらう商品は、まずいざ引き出そうと思ったらなかったということはありません。ただ金ETF(正確にはEquity Traded Note、ETNですが)は最大手のものでさえ、根拠資産であるはずの現物を蓄積せずに運用している疑いが濃く、お勧めできません。
(1)それでも他人に預けておくのが不安だという場合、現物を買ってから信用できる倉庫業者の貸金庫に入れておくという手はあると思います。まあ、日本は平和で安全な国ですから、手元に置いていても盗まれる危険は少なく、火事で溶けても燃え尽きることはありませんが。
(3)と、その続きのご質問の中に「ご立派な経歴」とお書きいただきましたが、全然立派ではありません。その証拠に、あぶく銭が入っていた時代の稼ぎは一体何に遣ったのかわからないままきれいさっぱり消えて、現在はその年の収入で生計を立てる、まったく資産を持たない生活をしております。
で、その次のご質問にあったタンスGOLDはしないのかという点については、運用や防衛を考えるべき資産を持っておりませんというお答えになってしまいます。
私も土井としきさん同様、国家はいずれ消え去るべきものと考えておりまして、まあベストは徐々に存在感が薄れていって気がついてみたら、いつの間にかなくなっていたけどなんの支障もないよねという消え方だと思います。
ただ、そうなっても金の価値は少しも低くならず、むしろ高まると考えています。
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
土井としき様:
コメントありがとうございます。
私は、何冊かの本で「現代世界では戦争もどきは起きるが本物の戦争は起きない。正規軍同士の武力対決をしたら必ず負けたほうが世論の同情を買い、軍事行動で勝ったほうが政治・外交・社会的評価すべてにおいて大きな損失をこうむるので、だれも本物の戦争は仕掛けない世の中になった」と主張していました。
プーチン率いるロシア軍のウクライナ侵攻は、ひょっとしたらこの一般論への反証になるかもしれないと思っていました。
ですが、それでも2014年にCIAがネオナチを使って誕生させた政権が延々と自国内のロシア語を母語とする人たちを正規軍によって迫害し、殺傷してきた過去はきれいさっぱり忘れ去られて、軍事行動で圧倒的に劣勢なウクライナに同情が集まるのですから、やっぱりもう本物の戦争は起きるはずのない現象なのだと痛感します。
増田悦佐 さんの投稿…
栴檀の葉様:
コメントありがとうございます。
けっして至言とお褒めいただくほどのものではなく、証券業界に身を置いていたころ、知れば知るほど怖くて株の売買などできないというやみくもな恐怖心から発した言葉に過ぎません。
当時のやみくもな恐怖心にもきわめて論理的な根拠があったのだとわかったころには、分不相応に入ってきていた収入は、いったいどこに消えたのかきれいさっぱり失くなっていたのですから、決して自慢できる話ではありません。
匿名 さんのコメント…
増田先生、重ねてありがとうございます。

分不相応なお金は多分、”先生の余裕と言う形に変ったのでは”と思います。

多分、絶えず糊口を拭うには余る位はお金との縁をお持ちでしょうから、それ以上の贅肉のお金は身に付かないだけでは、とも思います。

贅肉なお金が身に付くと、著作の切れ味が鈍ると思います。

私も、”自分のお金でない”と思ったお金とは、出来るだけ早く縁を切る様にしています。

結果がそうなっただけで、相場に逃げられただけの、強がりかも知れませんが。


栴檀の葉
スイーツ さんの投稿…
増田先生、土井さん

丁寧な返信有難うございます。「立派な経歴じゃない、、、」というくだりは、一流の人物特有の謙虚さだと思っております。

国家はなくなればいい、、、これは多分、共産主義者が言うような「絶対平等のボーダレス・ユートピア」という意味ではありませんよね?僕も、もし幕末の日本が欧米列強の軍事力をはねつける程の軍事力を持っていたならば、鎖国はずっと続けていた方が良かったとは思っています。(当時のアメリカの大使も「日本を開国させることが、本当にいいことなんだろうか?」という手記を残していますしね)

それと、背景は何であれ、安倍晋三を排除すべきという動きだけは、全面的に支持します。強姦犯の逮捕をもみ消す、公式文書を書き換えて自殺者を出す、そして愛子さまの皇位継承権を団地の宮妃と共に奪う、、、たった一人でここまでやった総理大臣はこの長州人だけです。
土井としき さんの投稿…
スィーツさん。

国家崩壊とは、スタ−リンや日本共産党の言う[絶対平等主義]ではありません。
元外交官の佐藤優は、日本共産党の与党化を恐れていますよ。何故なら絶対平等主義がもたらす、共産主義の行き着く先が暴力革命だからです(佐藤優『世界の常識はウソばかり』)。僕らは、学生時代の70年安保闘争で、共産党の学生組織[日本民主青年同盟](通称、民青)と戦い、その正体を認識しています。

なので、中産階級(サラリーマン上層)の能力を認め、その結果により、庶民層が豊かになると思います。だから、これを踏まえて「国家が滅びたって、民衆が現在より豊かになれは良いという視点」に繋がると思ったのです。

なお、愛子さんの皇位継承問題は、庶民のアンケート結果により、自民党内部でモメテいるようです。来たる参議院議員選挙に勝つ為の隠された裏の課題です。
安倍対岸田と岸田を支える8人の立ち位置が気になります。長州、山口銀行東京支店が当銀行の稼ぎ頭で、安倍の裏権力だが、頭取のスキャンダルが表面化。更に、表のマスコミ報道は茶番。マスコミの権力、エリート主義は終にして欲しいです。
スイーツ さんの投稿…
土井さん、という事は貴方は団塊の世代ですね。その世代と言うのは革命思想にかぶれて狂った人間ばかりという印象が強かったのですが、そんな時代であっても民青と戦っていた素晴らしい人物がいたとは!!!嬉しい意外性です。

しかし、まあ、その世代の慶應出身の人間であっても、団地宮妃の精神的情夫・朝日の岩井克己がいますからねえ、、、

人の悪口など聞きたくないでしょうが、私は母方の家系に霧島神宮の宮司もいたので、皇室の弥栄を心の底から願っていますし、天照大神の再来・愛子さまの立太子を望んでいます。ここのサイトの主旨と違ってしって、それはすみません。
土井としき さんの投稿…
スィーツさん、増田様。ブログを汚して済みません。

私は、後期高齢者の最初の団塊世代です。
デモには、無派閥でした。慶應G大学から行ったことはありません。過激派の派閥争いとは無縁。でも、無派閥という派閥です。
池田弥三郎文学部部長には、デモは良いが、捕まるなよ、と言われたことを、思い出します。又、國學院の文化勲章受章者の岡野弘彦(皇室の短歌の指導者)の弟子で、折口信夫研究所に勤務してた六十年安保世代の先輩から、或日の新宿駅西口デモに、今日はデモに行くなと言われた。まさに、行けば逮捕されていたことを思い出します。ちなみに、哲学専修の卒論は、この影響で[日本文化試論]になったのです。後は、JAの県連の商事に勤務していました。
だから、神社には親しみがあります。また、神事や祝詞なども身近なことです。私は、心が癒やしを求めれば、神社、銭湯が定盤です。
神事や卒論から見ても、AKは難しいかな?愛子さんが人気あるから。
スイーツ さんの投稿…
土井さん、気を使わせてすみません。(増田先生や他の皆様へも、すみません)

朝日ジャーナルをわきに抱えて大学キャンパスを歩くのがカッコよかった時代に、左翼運動にまみれていなかっただけで十分聡明です。戦う、とは何も暴力的な事をするだけではありませんからね。

愛子さまへの国民的人気が上がるほど、団地女のヒステリーも上がります。今となっては、次男一家の子供たちが慶應に侵入しなかったことだけが唯一の救いです。

自分の母校じゃないけど、3年後は東大も完全に堕ちるのです。
増田悦佐 さんの投稿…
栴檀の葉様:
たびたびのご厚意溢れるコメント、ありがとうございます。
私にも励みになりますが、いろいろと手伝ってくれている娘が「やってきたことの甲斐があった」と感激しておりました。
これからもよろしくお願いいたします。
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
土井としき様:
いろいろな方が、いろいろなご意見を投稿してくださるのは大歓迎です。
いっさいお気遣いなくご投稿ください。
私自身について申し上げますと、『朝日ジャーナル』などを読むプチブル「良識派」左翼など頭からバカにしていて、いろいろ戦闘的左翼の機関紙などを読み比べて、「ふむ、ふむ。経済をいちばん良く理解しているのは共産主義者同盟(ブンド)マル戦派だな」などと思っていた人間です。
当然のことながら、デモにはひんぱんに参加しましたし、土井さんがこの日だけは行くなと引き留められたとおっしゃる日には、新宿駅構内で盛大に線路から線路へと機動隊と追いかけっこをしていた人間です。
ただ、党派に属したことはなく、あらゆる官僚組織が嫌いで、共産主義よりアナーキズムのほうが正しいと信じていましたし、今もそう思っています。
ですから、現在でも「経済は自由競争の市場に任せてだれも介入しないのが一番だ」と確信しておりまして、自分ではこのスタンスこそがアダム・スミス直系であり、かつハイエク左派として正しい経済認識だと思っております。
このブログについても、レッテル貼りの応酬という不毛な議論にさえならなければ、あらゆる立場の人が自由に意見を交換できる場にしたいと願っております。
これからもよろしくお願いします。
匿名 さんのコメント…
増田先生、お嬢様と二人三脚との事、驚きました。

ふと、葛飾北斎が浮かんできました。

分野は違いますが、北斎も娘さんと二人三脚の時期が有ったと思います。


栴檀の葉
スイーツ さんの投稿…
増田先生、温かいお言葉有難うございます。

僕も、ネトウヨ・ネトサヨのような愚かなヒステリーでなければ、様々な意見が許容されるべきだと思っています。

ただ、、、市場に一切介入すべきでないというご意見には部分的に「怖いな」と思うところがあります。何故かというと、新自由主義の暴走によって現在のとんでもない格差社会が出来上がってしまったからです。

エマニュエル・トッド氏の意見を借りれば「今のコロナ禍はグローバル主義によって若い世代を蹂躙してきた高齢者への神の裁き」と言えなくもないからです。僕は高齢者は死んでもいいだなんて思ってはいません。しかし、、、若い世代は殺さないコロナに対してヒステリックになり、強欲な製薬会社だけがぼろ儲けする現在の経済には介入が必要だと思っています。
増田悦佐 さんの投稿…
栴檀の葉様:
ありがとうございます。北斎父娘には敵いませんが、私には出来すぎた娘です。
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
コメントありがとうございます。失礼ながら、自由競争の市場経済を現代アメリカ社会のようなものとお考えではないでしょうか。実際には、アメリカほど経済に関する法律や規制の多い国はなく、しかもそのほとんどが巨大資本や大金持ちを有利にするためのルールなのです。今回のコロナ騒動での製薬会社のボロ儲けも、政府がワクチン接種を強制したためにできた事だと私は思っています。
スイーツ さんの投稿…
増田先生、一部の強欲すぎるグローバル企業の暴走をストップする「介入」は必要ですね。今のアメリカじゃ、多分無理でしょうね。
増田悦佐 さんの投稿…
スイーツ様:
コメントありがとうございます。
アメリカでは政治家はほぼ全員ロビイストを通じた有力産業・巨大企業のカネをもらっていますので、絶対に無理です。
中国では共産党政府から既得権益団体にカネが回る、アメリカでは企業から政治家にカネが回るという違いがあるだけで、アメリカと中国は利権社会の東西両横綱です。